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パン屋だけど、パンを売りたいわけじゃない。




5月10日グランドオープンしてから、新聞やテレビで取り上げてもらって、それを見てくださったたくさんの方が来てくださって、 「山口県に住んでいるけど、この鹿野に初めて来ました。いい所ですね。」って言われると、 この鹿野に来てもらえるきっかけになれたことに

ヤッター♪───O(≧∇≦)O────♪ って思う。ガッツポーズ(^-^)g そう、この鹿野の良さを知って欲しくってはじめたパン屋なんだもの。 それを感じてもらいたくて。 ゆっくり過ごしてもらいたくて、併設した二階のイートインスペースなんだもの。


でも、先日のTV放送は反響が大き過ぎて、オープン前から並ばれて、看板を出さなきゃと思った10時ちょうどに、なだれ込むようにお店に入りきらないくらいたくさんのお客様で。 どんなに頑張って作っても、昼過ぎにはsold outで。 後から後から来られるお客様に「すみません、売り切れです。」って言うのが辛くて。 みなさん、遠くから、こんな山奥まで来てくださっているのに、、、。 だから、もっとたくさん作って、『販売』をするために。 「一人でやってて、大変ね。」って言われると、人を雇わなきゃいけないって言われているみたいで。お客様に迷惑かけて、申し訳なくって。 でも、物とお金との交換にしたくなくて、『販売』にしたくなくて。 ごめんなさい。わがままかもしれないけど、私、自分で作ったものを、自分の手で、お渡ししたい。 大切に作られた食材を丁寧に調理して、その食材を作ったくれた人の想いを一緒に捏ね合わせるように、パンを捏ねて 出来上がったパンを見て食べてくださる方の顔を想像しながら、形を考えて、 その過程のワクワクしながら、でも焼き上がりを見るまでの ちょっと不安なドキドキした気持ちとか そんな気持ちをパンに込めて、お客様にお渡しして「美味しいかったよ。嬉しかったよ。楽しいよ。」って「ありがとう」思ってもらえたら、その対価として代金をいただく。 現実的にその対価は、今 この世の中で 多くの人が同じ価値を持つ『お金』なのだけれど。 でも、それは気持ちのやり取り。 人の営みの根源にあっての、商売の成り立ち。 そんな営みがしたくて、でも 人が多くて 流動的な都会では難しかった。

福岡でカレー屋さんを経営してた時の話。 忙し過ぎて、お客様にお渡し出来るだけの自分の気持ちが追いつかない。 アウトプットが多すぎて、インプットが追いつかない。 それでも、たくさんお客様が来てくださって、求めてくださるから 作って出さなきゃ、新しいメニューも産み出さなきゃ。 そのうちに、大好きだった料理をすることが苦しくなって。 自分が何をすればいいのか、何をしてるのかわからなくなった。 毎日、お店を開けることが辛かった。毎日、眠る前に朝が来なければいいと思った。 そんな気持ちで作るものに「美味しい」って「ありがとう、ごちそうさま」って言ってくださることが申し訳なくって、来てくださるお客様に後ろめたくって。 お客様にお渡ししたいと思えるもの、ワクワクした気持ちになれるものが 都会には少なく感じていて、 ある時、気がついた。 自分が求めているものは、20年前に「何にもない」って思ったド田舎の故郷、鹿野にあったってことに。

そして、3年前に決めた。鹿野で 地元のでできたものでパンを焼くパン屋になろうと。

10年続けたカレー屋を辞めた。

この鹿野にある、美味しい水や空気や食材や それを作ってくださっている方との繋がり。 鮮やかに感じる季節の移ろい、風景、風のにおい。 全てを受け入れて、自分のエネルギーとして蓄えて、そのエネルギーを借りて パンを焼く。 お客様にお渡しする。 その営みがしたかった。鹿野ならできると思っていた。 でも、先週はちょっと違ってた。パンを作ることが苦しくなりかけていた。


自分のできることが、お客様の求めてることに追いつかなくって。 私が楽しい、嬉しい気持ちで作ったものしか、お客様に『楽しい、嬉しい、美味しい』と感じてもらうことはできない。そう信じているのに、できなくて辛かった。


ごめんなさい。


たくさんの方に知っていただきたい。この鹿野に来てみて欲しい。

でも、あまりに多くの方に来ていただいて 自分の気持ちや技術やシステムが間に合っていなくて。 しばらくは、お客様にご迷惑かけてしまうこともあると思います。 気がついたことは、教えていただけたら嬉しいです。


このブログを書いたは良いが、人様に見せて良いものか悩んでいたら、この動画に出会いました。https://www.facebook.com/ayumu822/videos/1579506895456322/


私は、『私の望むもの』の答えを暗く辛い日々の中で見つけた。はずだった。

パン屋さんだけど、パンを売りたいわけじゃない。

気持ちのやり取りがしたいのです。

でも、また、迷って、間違えて。

それでも、この答えに戻って来れるように。

少しずつ歩んでいくことを 許してもらえたら、応援してもらえたなら。

嬉しいです。頑張ります。


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