私、パン屋になります!
2022年の9月10月、毎週土曜日に山口新聞 の東流西流 というコーナーでコラムらしきものを書かせていただきました。
2ヶ月間にわたって、毎週、限られた文字数で、自分の想いや気持ちを綴ることは大変な作業でしたが、担当の新聞記者さんのおかげでやり切ることができ、自分と向き合うとても価値ある経験となりました。
有り難いことに「まとめて読みたい」とお問合せいただき、こちらに同じものを載せておきます🙇♀️
【私、パン屋になります!】
鹿野の山奥でいろいろ考えながらパンを作っています。今感じていることなどを 中心に文章にしていけたらと思います。
4年前、周南市鹿野にUターンし、パン屋を起業しました。「こんな所に本当 に?」と言われるくらい山奥にお店はあります。進学を機に生まれ育った鹿野を 出て福岡へ。18歳の私は地元には『何にもない』と思っていて、都会に憧れが ありました。27歳の時夫とともに小さなお店を持つことに。自分が考え作った 料理を召し上がっていただく仕事にはやりがいがありました。都会ですので珍し かったり高級だったりする食材は手に入ります。でも自分がおいしいと思うも の、お客様に伝えたい味や料理とは違う気がして、その疑問は大きくなりまし た。そんな時に出会ったのが山口県産パン用小麦『せときらら』だったのです。
パン自体のおいしさももちろん、食材と組み合わせた時にお互いが引き立つん です。無限の可能性を感じ、この小麦粉を使ったパン屋になると決心。パンはシ ンプルに「粉、水、空気(膨らんでいる部分は空気だから)」で作られます。お いしいパンを焼くためにはおいしい水と空気のある場所でなければならない。思 い出したのが自分の生まれ育った鹿野だったのです。20年前に何もないと思っ て出た故郷に「今の自分が求めているものがあった」のです。
(周南市、ベーカリー・ギャラリーオーナー うめざわしのぶ)
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