五感を育てるパンを。
2022年の9月10月、毎週土曜日に山口新聞 の東流西流 というコーナーでコラムらしきものを書かせていただきました。
2ヶ月間にわたって、毎週、限られた文字数で、自分の想いや気持ちを綴ることは大変な作業でしたが、担当の新聞記者さんのおかげでやり切ることができ、自分と向き合うとても価値ある経験となりました。
有り難いことに「まとめて読みたい」とお問合せいただき、こちらに同じものを載せておきます🙇♀️
この回が7回目の掲載記事です。終わりが見えて来て「ここらで一回くらいパン屋の話し書いとかないとな」と思いまして、、😅
ちなみに、私『周南市食生活改善推進委員』やってて、『食育アドバイザー』も持ってます😁
【五感を育てるパンを】
「かわいいパンが多いね」と言われます。それは興味を持って食べてみてほしいから。
カメの形をしたパンにはきな粉を、タヌキや犬の形をしたパンにははったい粉を使っています。野菜の形をしたパンにはそれぞれの野菜をペーストにして練り込んでいます。
7歳までに食したことのないものは、その後大人になってもその食材を美味しいと感じないとか。きな粉もはったい粉も昔ながらの栄養価の高い食品ですが、現代っ子はあまり食す機会がありません。苦手な野菜もかわいいパンの形に惹かれて食べてみてくれるかも?
「柔らかいパンはどれですか?」と聞かれます。ごめんなさい、多くは噛みごたえのあるパンです。それはしっかり噛んで欲しいから。噛むことで小麦のでんぷん質と唾液が混ざって甘く感じ、素材の旨味を感じることができます。なので塩や砂糖の調味料は最小限で済みます。そして消化も助けてくれます。噛むことで顔の筋肉の発育を促し、表情豊かな顔をつくるほか、大脳の働きを活性化する働きもあると言われています。噛む力がなければタコや牛蒡などの固いものの美味しさを感じることもできません。
子どもの頃の食生活がその後の食の楽しさを広げてくれます。子たぬきのパンがそのお手伝いを出来たら嬉しいです。
(周南市、ベーカリー・ギャラリーオーナー うめざわしのぶ)
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